或る地方公務員の読書録

行政やテクノロジー、その他実用書について、技術者、自治体職員の視点から感想文を書いています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

新・所得倍増論:日本のシステムは人口増を前提に作られている

日本政府が既に「生産性革命しなければ!」と言っているくらい 日本の生産性は低い と言うのは巷に知れ渡っていますが、改めてランキングを見てみると、 このように(予想以上に)低い位置にいます。 もちろん昔から生産性が低かったのではありません。 今低…

都市は人類最高の発明である:SNSは対面コミュニケーションに及ばない

「田舎と都会にどっちがいいだろう?」 という悩みは個人レベルでよくあります。 「田舎のほうが自然は近いし、人混みはないし、犯罪も少なそうだし」 などの理由で、田舎を好む人もいるでしょう。 「欲しいものはすぐに手に入るし、仕事も就きやすいし、娯…

AI vs. 教科書が読めない子どもたち:AIから新しいものは生まれない

第何回目かのブームがやってきているAI(人工知能)ですが、やっと世の中の論調も、 「AIを使えばなんでもできる。AIは人間の知能を超える。」 の状態から、 「AIっていっても、結局、過去データから予測しているだけじゃん。」 の方向に落ち着いて…

行政ってなんだろう:ここではないどこかの小さな村を想像してみよう

「行政」や「政治」という言葉は、市民全員が関わる割には中身がよくわからないものです。例えば「教育」という言葉なら、誰もが小・中学校に行っているのでなんとなく想像ができます。 小・中学校に行かない場合、どのようなリスクがあるのかも想像できます…

英語学習のメカニズム:ほんの少し難しいインプットを大量に

「第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法」とサブタイトルがつけられていますが、本書は第二言語習得だけに関わらず、一般的かつ効率的な勉強方法を教えてくれます。 第二言語習得の流れを超簡単に書くと、下記のようになります。 「インプット」 → 「中…

「分かりやすい表現」の技術:行政の文書を分かりやすくするには

本書は「分かりやすい表現」の技術を教えてくれる本です。 まず 「分かる」って何? ということですが、 「分かる」とは「情報が脳内で整理されている」ということ。 だそうです。 そして「情報が脳内で整理される」ということは何か、というと、 情報が、脳…

2050年の技術:これからの人類は自らのゲノムを操作する

英Economist誌が「2050年の世界」に続いて編集した、2050年の技術動向を予測している本です。 予測されている技術を並べてみると、、 ・チップはあらゆるものに埋め込まれIoTが進む。 ・誰もがヘッドセットを持ち歩く。ヘッドセットだけでなく、コンタクトレ…

魂でもいいから、そばにいて:人は物語を生きる動物である

東日本大震災では、死者・行方不明者一万八千人余りを出し、一万八千人以上の家族に悲劇をもたらしました。 本書では、東日本大震災の遺族が体験した、震災後の不思議な出来事が集められています。 「愛する人がいない世界は想像を絶する地獄です。」と繁さ…