寡黙なる巨人

脳梗塞になった医者、多田富雄氏の絶望と苦しみ、

そして生の喜びがひしひしと伝わってきます。

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脳梗塞になって半身不随の後遺症、と書くと、簡単なのですが、

 

実際は、声を出す、食事を飲み込む、立つ、歩く、などの当り前に

無意識で動いていた筋肉が動かなくなってしまい、生きるだけで絶望的な苦しみが著者を襲います。

 

ただ、この本は、病後の苦しみや、日本の医療(というかリハビリ制度)の不備を指摘している訳ではありません。

 

「病という抵抗のおかげで、何かを達成したときの喜びはたとえようのないものである。初めて一歩歩けたときは、涙が止まらなかったし、初めて左手でワープロを一字一字打って、エッセイを一篇書き上げたときも喜びで体が震えた。

 今日は「パ」の発音が出来たといっては喜び、カツサンド一切れが支障なく食べられたといっては感激する。なんでもないことが出来ない身だからこそ、それが出来たときはたとえようもなくうれしいのだ。」

 

 

私も先日、人生ベスト3に入る二日酔いになり、終日、吐き続けて痛感しました。

「健康のためなら死ねる」

 

多田さん、ごめんなさい。