歴史に「何を」学ぶのか

歴史に「何を」学ぶのか (ちくまプリマー新書)

半藤一利による若者向けの近現代史入門書(+半分自伝)です。

 

内容については、著者のこれまでの著作の内容を改めて平易に紹介しているだけなので、「昭和史」や「日本のいちばん長い日」を読んだ人には、特に改めて読む価値はありません。

 

とは言っても、飛行機や電車などのちょっとした移動等のとき、1~2時間で読めるので時間つぶしにはおすすめです。

(もちろん、近現代史に興味を持ち始めたときの入門書としてもおすすめです。)

 

本書のいいところは、

・(おそらく)口述筆記のため、文章が平易で読みやすい。

・著者が好む歴史上の人物やエピソードの紹介のときは、熱が入っていてひきこまれる

ですかね。

読後はきっと、著者同様に、鈴木貫太郎勝海舟、あと今上天皇が好きになります。

 

あ、でも一番よかったところは、冒頭の文章ですね。

「はじめに言っておきますが、大学教授を志すならともかく、歴史を学んだところでたいして役にはたちません。みなさんが大人になって社会人となったとき、歴史にくわしくても、それゆえに偉くなれるとか、儲かるとか、そんなことは、おそらくないと思います。しかしながら同時にこれは言っておきたい。歴史というのはとてもおもしろいものなのです。

 

この「勉強って何の役にたつの?」って質問は、こどもがすぐに言っちゃうセリフですけど、「役に立つ」とか「金が儲かる」とかを動機として本を読んだり勉強したって、きっと面白くないし、美しい人間にはなれないと思います。

役に立つか、とか、儲かるか、ってのは目的じゃなくて手段ですからね。

 

でも最近は「役にたつか」より「面白いか」とか「美しいか」という価値観のほうが重要視されているような気がします。なんとなく。